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健康福祉学部

概要

学科長メッセージ

本学科の特色
放射線学科長・学域長  妹尾 淳史
放射線科学科長・学域長
妹尾 淳史 教授

 「診療」という言葉は「診断と治療」の省略語です。診療放射線技師は最新の放射線技術や医学知識をフル活用して診断と治療に携わる専門職です。具体的には診療放射線技師は、一見すると怖く冷たく感じる放射線機器と、病気や障害に苦しむ患者さまやご家族さまに寄り添い安心して検査や治療が受けられるための架け橋となる仕事です。

 診療放射線技師の仕事は大きく分けると「診断」と「治療」の2つの仕事があります。「診断」の仕事はさらに「画像診断」と「核医学」の2つの分野に分けられます。画像診断分野ではX線撮影検査やCT検査およびX線を使わず超音波を使った超音波検査や磁場を使ったMRI検査などを担当します。核医学分野では放射性医薬品を投与して医薬品の動態に応じて集積した臓器から放出される放射線を超高感度の放射線検出カメラで映像化する検査を担当します。放射線治療分野では主に悪性腫瘍に放射線を照射する仕事です。正常組織に放射線を照射せず目的の病巣領域へ正確に照射するために様々な技術を習得しなくてはなりません。

X線CT(MDCT)

 諸外国の多くは「画像診断」,「核医学」,「放射線治療」各分野の放射線技師はそれぞれ全く別の国家資格に分かれていますが、日本では1つの国家資格として3分野で活躍します。放射線技術は日進月歩で新しい技術が次々に開発されそれぞれの放射線機器に搭載されるため、病院に就職したあとも日々新しい技術を臨床現場で使いこなせるよう学び続ける必要があります。また病院で働く診療放射線技師の多くは検査室や治療室1部屋あたり1,2名で担当して仕事します。画像検査分野や核医学分野では一期一会で患者さまの検査を担当し、放射線治療分野では1クール約1ヶ月半の間ほぼ毎日患者さまが来院され担当します。そのためそれぞれ分野で異なるコミュニケーションスキルが求められます。

 本学の放射線学科は「画像診断」、「核医学」、「放射線治療」全ての分野で最新かつ最高峰の放射線機器を教育・研究用として設備しており、座学で学んだ最新鋭の放射線技術を学内の装置を使って実際に体験学習できることが大きな特徴です。また高いコミュニケーションスキルを持つ診療放射線技師養成を目指し、全国に先駆けて患者接遇の講義や演習科目を開講していることも特徴の一つです。最新の放射線技術を単に知識として習得するだけでなく、これらの知識同士を俯瞰的に捉えて「知恵」を創出する力は社会に出たときの問題解決に大きな力となります。そこで本学科では3年生から研究室に所属して早い段階から卒業研究をおこない物事を多角的に考える力を養成しています。そのため研究室の指導教員だけでなく2年生から4年生まで学年持ち上がりの担任教員や病院実習担当の教員と共に手厚いサポート体制を整えていることも大きな特徴です。

 本学放射線学科の卒業生の半数近くがそのまま本学大学院修士課程に進学し、半数が大学病院や都立病院などの大規模病院に就職しています。また年に1,2名が医療機器メーカなどの企業などに就職しています。皆さんの大切な大学生活を本学の最高の教育環境で充実した毎日を過ごせるよう我々教員一同、万全の体制を整えております。

カリキュラムの特色・履修モデル

放射線学科のカリキュラムは、卒業時に診療放射線技師の国家試験受験資格が取得できるように構成されています。

1年次の南大沢キャンパスでは、基礎ゼミナール、実践的英語教育、情報教育、そして「文化・芸術・歴史」「グローバル化・環境」「人間・情報」「産業・社会」などの4つのテーマからなる都市教養プログラムがあります。また、理工学の基礎となる数学、物理、物理実験、化学があります。

3年次後期から4年次で行われる卒業研究(特別研究、専門放射線学セミナー)では、学生の知的好奇心を満たし、柔軟な発想のもとに研究をすすめる環境づくりを心がけています。

履修モデル
1年前期 1年後期 2年前期 2年後期




 基礎ゼミナール・
 情報リテラシー・
 言語科目

★基礎ゼミナール
★実践英語Ⅰa
★実践英語Ⅰc
★実践英語Ⅰb
★実践英語Ⅰd


理系共通基礎科目 ★物理通論Ⅰ
★化学概説Ⅰb
★基礎微分積分B

☆基礎線形代数B
☆物理通論Ⅱ
★物理学実験第一

 

 

 キャリア教育科目

※(教養・基盤・キャリア科目)  

 
☆医療統計学

※(教養・基盤・キャリア科目)  


★医療と情報

教養科目群・基盤科目群






必修科目 ●基礎生理学

●生化学
●基礎解剖学




●医療英語a
●画像解剖学
ペイシェントケア論Ⅰa
●医用画像写真学
●病態学
●医用電気工学
●医用物理学Ⅰ
●放射線計測学
●X線撮影技術学Ⅰ
●医用画像情報学
●医用画像情報学実験
●放射線安全管理学
●放射線安全管理学実験
●医療英語b
●医用電子工学
医用電気・電子工学実験 
●医用物理学Ⅱ

●放射線生物学
●放射化学
●X線撮影技術学Ⅱ
X線撮影技術学実習Ⅰ
●X線診断機器学Ⅰ
●診療画像医学Ⅰ
選択必修科目 〇応用数学
〇医用画像情報学演習
〇公衆衛生学

ペイシェントケア論Ⅰb
〇超音波技術学
〇医療と画像演習

自由科目 放射線科学概論 医用原子核概論 画像解剖学演習
空間応用数力学
放射線計測学演習
3年前期 3年後期 4年前期 4年後期






     必修科目     ●医用核磁気学
●放射線科学実験
●X線撮影技術学実習Ⅱ
●画像診断撮影技術学
●X線診断機器学Ⅱ
●X線診断機器学実験
●核医学検査技術学
●放射線治療技術学
●放射線腫瘍学Ⅰ
●医用画像工学
●放射線関係法規Ⅰ
画像診断撮像技術学実習
核医学検査技術学実習
●核医学診断機器学
放射線治療技術学実習
●放射線治療機器学 
●核医学Ⅰ 
●画像診断臨床実習Ⅰ       


●画像診断臨床実習Ⅱ
●核医学臨床実習
●放射線治療臨床実習    

●放射線医学概論           




選択必修科目 〇放射線腫瘍学Ⅱ
〇放射線関係法規Ⅱ        
〇核医学Ⅱ
ペイシェントケア論Ⅱ
〇特別研究Ⅰ*
専門放射線学セミナーⅠ*


〇特別研究Ⅱ*
専門放射線学セミナーⅡ*


〇特別研究Ⅲ*

専門放射線学セミナーⅢ*
自由科目 整形外科学Ⅰ
内科学
脳神経外科学
造影撮像学
医用画像機器学
システム工学
診療画像医学Ⅱ
★:全学共通科目のうち必修科目  ☆:全学共通科目のうち推奨科目 
●:専門科目群のうちコースとしての必修科目  〇:専門科目の選択必修科目  ※:合計14単位以上必修  *:いずれか選択

 

求められる学生像

放射線学科では、医学領域と同時に物理をはじめとする理学領域や工学領域も学ぶことができます。そのため、人体に関する正確な医学知識と、理工学の専門知識や技術、応用能力を身につけ、医療現場において医師や他の医療職とともにチーム医療に貢献したいという皆さんには、最適の学科といえます。

なお、一部に診療放射線技師が受ける放射線の被ばくについて危惧される方がいますが、これについては心配いりません。診療放射線技師が仕事で受ける放射線量は、私たちが普段の生活で自然界や宇宙線から受ける「自然放射線」の量の半分以下です。

卒業後の進路

大学病院など病院、大学院進学、医療機器メーカー、医薬品メーカーなど

取得できる資格・免許

  • 学士(放射線学)
    卒業を要件として取得できます。
  • 診療放射線技師国家試験受験資格
    卒業あるいは卒業見込。

これを取得し国家試験に合格することが第一の目標ですが、この他、放射線の取り扱いや管理に関する専門的な国家資格として放射線取扱主任者があります。放射線に関する物理学、化学、生物学、管理・測定技術、安全管理に関する法律が試験科目です。これらに関する科目がカリキュラムにありますので受験することが可能です。2004年度は13名の学生が試験に合格しました(全国平均合格率23.6%)。放射線学科では放射線取扱主任者試験に3年次に挑戦することを勧めています。

教員の専門分野・研究分野紹介

教員一覧を御覧下さい。